その１

微分形式 $\omega_1,\ \omega_2$ をそれぞれ \[ \omega_1 = f(x,y)\,\text{d}x,\ \omega_2 = g(x,y)\,\text{d}y \] とするとき，それらの形式和 \[ \omega_1 \dot{+} \omega_2 = f(x,y)\,\text{d}x \dot{+} g(x,y)\,\text{d}y \] がベクトル空間の加法によって次のように厳密に定義されることを確認しました；
\begin{align} &f(x,y)\,\text{d}x \dot{+} g(x,y)\,\text{d}y\\ =&\, \left( f(x,y)\,\text{d}x + 0\,\text{d}y\right) + \left( 0\,\text{d} x + g(x,y)\,\text{d}y\right)\\ =&\, \left(f(x,y) + 0\right)\,\text{d}x + \left(0 + g(x,y)\right)\,\text{d}y\\ =&\, f(x,y)\,\text{d}x + g(x,y)\,\text{d}y \end{align}

その２

微分形式 \[ \omega = \frac{x\,\text{d}y - y\,\text{d}x}{x^2 + y^2} \] の曲線 $C$ における積分 \[ \int_C \omega \] は積分経路 $C$ と原点を通る直線上の各点を同一視すれば始点・終点から独立に決まる多価関数であることを確認し，角度の定義を見直しました．

詳細は『楕円関数論から見た初等超越関数論』（日本数学会「数学通信」第１巻第３号）(外部サイトのpdfファイルが開きます)の「4 角度」をご覧ください．

その３

カヴァリエリの原理(Cavalieri's principle)を用いて，底面積 $S$ の切頭三角柱の体積 $V$ が \[ V = \frac{a+b+c}{3}\,S \] で表されることに対し， \[ V = \frac{1}{3}\,aS + \frac{1}{3}\,bS + \frac{1}{3}\,cS \] と変形したときに如何なる意味を見い出せるか検討しました．念頭操作(mental operation)が苦手な生徒ための補助として，物理的な素材として「水」や「割り箸」を使うことやWeb上でJavascriptを用いた描画（切頭三角柱の3Dモデル(Javascript) ）を用いることが提案されました．

2019年4月13日(土) 第3回ワセツルセミナー

2019年4月13日(土)　第3回ワセツルセミナー